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由緒

創祀

謹みて当社は明治元年の創立に係り、嘉永六年米艦渡航以来の国論沸騰のさなかに在って、敢然衆に率先、尊皇の大義を唱えて世論を啓発し、機運到って征幕の軍興るやこれに従って諸方に転戦、身を持って維新の鴻業を翼賛しながら、その成就を見ずして中道にたおれ、一命を国に捧げたる志士の精忠を、宏謨成れるの日、畏くも明治天皇は深く御嘉賞遊ばされ、その霊を祀らんがために一社の創立を仰出されたのに始まるのである。恭々しく明治元年五月十日の御沙汰書を拝するに、唱義の士には次の如き勅旨を仰出された。

太政御一新之折柄 賞罰ヲ正シ 節義ヲ表シ 天下之人心ヲ興起被遊度 既二豊太閤楠中将之精忠英邁御追貪被 仰出候 就テハ突丑以来唱義精忠天下二魁シテ国事二発レ候諸士 及草莽有志之輩冤柾罹禍者不少 此等之所為親子之恩愛ヲ捨テ 世襲之除二離レ 墳墓之地ヲ去り櫛風沫雨四方二潜行シ 専ラ奮幕府之失職ヲ憤怒シ死ヲ以テ衷訴 或ハ指紳家ヲ鼓舞シ或ハ諸候門二説得シ 出没顕晦不厭萬苦竟二拠身命候者 全ク名義ヲ明ニシ皇運ヲ挽回セントノ至情ヨリ尽カスル処 其志実二可嘉尚 況ヤ国家二有大勲労者争力浬滅二忍フ可ンヤト歎被 思食候 依之其志操ヲ天下二表シ且忠魂ヲ被慰度 今般東山之佳域二祠宇ヲ設ケ 右等之雲魂ヲ永ク合祠可被致旨被 仰出候、猶天下之衆庶益節義ヲ貴ヒ可致奮励様 御沙汰候事

伏見鳥羽の役以来の戦死者に対しては次のごとく御沙汰あらせられた。

当春伏見戦争以来引続東征各地之討伐二於テ忠奮戦死候者、日夜山川ヲ践渉シ風雨二暴露シ、千辛萬苦邦家之為メ終二殯命其段深ク不欄二被 思食候最其忠敢義 烈実二士道之標準タルヲ以テ叡感之余リ此度東山二於テ新二一礼ヲ御建立永ク其 霊魂ヲ祭祀候様被仰出候尚、向後王事二身ヲ殲シ候輩速二合祀可被為在候間天下 一同此旨ヲ 奉戴シ益可抽忠節、且戦死之者等其藩圭二於テモ厚ク御趣意ヲ可奉 体認旨被 仰出候事

有難き聖旨を拝し、枯骨に及ぶ天恩の忝さに感泣した京都府及び山口、高知、福岡、熊本、鳥取、久留米の諸藩、澤三位家、徴兵隊は、御沙汰書に東山之佳域と仰せられた霊山の山上に各々祠宇を建設した。これ実に当社の創祀、ひいては我国招魂社の嚆矢であって、爾来当社の祭祀及び営繕には国費を供進せられるのを例とし、社号は特に官祭の二字を冠して『霊山官祭招魂社』と称した

沿革

かかる由緒の許に創立された当社は申すも畏きながら皇室の御崇敬敦く、明治十年、同三十六年、同四十年、大正十四年、昭和四年、昭和十九年、昭和三十五年、昭和三十七年、昭和四十年、昭和四十八年、昭和五十年の十一次に亘り御下賜金、御使御差遣の光栄に浴した。又明治十年社頭に銅碑建設の際は勅命に依り有栖川宮幟仁親王御揮傲毫の題篆をご下賜遊ばされ、昭和四年には前年挙げさせ給へる御大礼の大甞宮付属御建物を御下賜遊ばされ、以って斉殿及び拝殿を建立した。

かくも優渥なる御沙汰を拝し、社頭の荘厳は年と共にその輝きを増したが、昭和十一年に至り嘉永六年以降の本府出身の英霊を悉く当社に合祀し、奉仕の赤誠を竭さんとするの議勃然として興り、京都府知事他の発起の許に霊山官祭招魂社造営奉賛会が組織せられ、新たに社殿の造営、境内の拡張が計画せられた。

時恰も支那事変の直前に当り民心緊張の折柄、府民は挙げてこの挙に賛同し、醵財の申込相次ぎ、十一月には早くも着工の運びとなった。工事は社域の拡張千五百余坪、新築社殿は本殿、祝詞舎、拝殿、神饌所等十二棟に及ぶ大規模なる計画並に参道の拡張に外数府民が協力せられ、工事は順調に進捗し、約三十ヶ月の月日をついやして、三間社流造の本殿、五間三面入母屋造の拝殿を始め壮麗なる社殿が完成した。

この時に当り政府に於ては広く全国の招魂社の制を改め、郷土出身の英霊を奉祀するために、各道府 県に護國神社を指定することとなり、昭和十四年四月一日を以って、当社は内務大臣指定(告示一四二号)により『京都霊山護國神社』と改称せられたのである

このことは支那事変を景気とし地方人士の間にその要望が頓に昂まったのに基くのであるが、本府は全国に魁けて合祀造営のことを発願せるを以って、四月三十日の吉日を期して木の香、清々しき社殿に於いて英霊合祀の祭典を盛大に挙行した。

祭神

霊山官祭招魂社に於いて奉祀せる祭神は549柱であって、古くは天誅組の首将中山忠光卿を始めとし梁川星巌、梅田雲浜、頼三樹三郎、月照信海、来島又兵衛、久坂玄瑞、寺島忠三郎、入江九市、坂本龍馬、中岡慎太郎、吉村寅太郎、平野国臣、宮部鼎蔵、真木和泉守等その功績は人の能く知るところである。

東福寺、大雲院、泉涌寺の官祭招魂社及び明治41年までの合祀を含め勤王の祭神数は1,356柱である。爾来日清、日露、満州、支那、大東亜の各戦役に戦歿せる英霊を合祀し今日に至る。(平成13年10月13日現在の祭神数は73,011柱である)

年間行事

1月1日~3日 歳旦祭
4月28日 春季例大祭
5月26日 松菊祭(桂小五郎命日祭)
6月30日 夏越大祓
8月13日~16日 みたま祭
8月15日 戦没者追悼式
10月14日 秋季例大祭
11月15日 龍馬祭(坂本龍馬命日祭)
11月 龍馬よさこい
12月31日 晦日大祓
奥津城おくつき(納骨堂)のご案内 各奉賛団体への入会のご案内 各種授与品
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